森の不思議な力

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2017.11.01森の不思議な力

森の不思議な力:「31」 : 平成29年11月

野原や山道を歩いているとズボンの裾や靴の紐、上着の裾などに植物のタネが沢山くっつき、とるのに苦労しますね。取りやすいものもあれば、なかなか取れないものなど様々です。 取り払うときにどんな仕掛けがあるかちょっと観察してみませんか。
 根づいてしまうと動くことのできないのが植物ですが、タネは自由に動き生活する新しい場所を選べるのです。親元を離れ生活圏を広げることができるのがタネなのです。 そしてタネの移動の仕方には様々な方法が工夫されていますが、今回は人や動物などにくっつきヒッチハイクするタネに焦点を当ててみました。

1.ヒッツキムシの知恵

 人里で見られるヒッツキムシはおもに人によって運ばれますが、人の入らない山奥にもヒッツキムシの植物が見られます。 ということはこれらの植物のタネは動物によって運ばれているのでしょう。そのためには様々な運び屋にくっつくようにそれぞれ工夫を凝らしています。 でも相手にくっつくためにタネのできる位置が問題でしょう。高すぎてもダメ、低すぎてもダメです。多くのヒッツキムシは50cm前後の場所にタネを作って運び屋を待っています。 でも引っ付く相手に恵まれなかったタネはそのまま地面に落ちるのです。ということは ほとんどが背の低い草本植物が工夫したタネの運ばれ方の一つですね。

2.タネに仕掛けられたからくり

*堅いフック型:
先が釣り針みたいに曲がった堅い突起物。オオオナモミ、ヤブジラミ、ウマノミツバ、ウマノアシガタ、キンミズヒキ、ミズヒキ、ハエドクソウ、ダイコンソウなど。
*柔らかいフック型:
先が釣り針みたいに曲がった柔らかい毛状の突起物。ヌスビトハギ、フジカンゾウ、ミズタマソウ、ヤエムグラなど
*逆さトゲ:
下向きのトゲ。ヤブニンジン、アメリカセンダングサ、コセンダングサ、チカラシバなど
*ヘアピン型のトゲ:
先が鋭くヘアピン状に曲がっているもの。イノコズチの仲間。
*粘液型:
ねばねばした粘液で付着。 一番外しにくいヒッツキムシですね。ノブキ、メナモミ、チヂミザサ、ガンクビソウ、ヤブタバコなど。水分に触れるとねばねばになり人や動物の足、車のタイヤなどにくっつき運ばれるオオバコなどもあります。

3.ヒッツキムシからのヒント

生き物の形や生態からヒントを得て作られた製品が多くありますが、ヒッツキムシからヒントを得た製品もあります。 皆さんよくご存じのボタンやファスナーの代わりに使われているマジックテープがそうです。オナモミが衣服に付く構造からヒントを得てスイスの人が改良を重ね作り上げたのがマジックテープなのです。